ジャムとばあちゃんとパリ 最終話(十代)

それで解ったことは、自分の経験とは、実は自分の頭の中に記憶されているだけはなく、社会の中で多くの関係者の頭の中に記憶されているものだ、ということである。考えれば当然のことで、自分の記憶容量には限界があり、自分について全てを覚えことはできない。しかし、自分を取り巻く無数の周りの人間の記憶容量を合わせればかなりの量になり、...

ジャムとばあちゃんとパリ 第2話

大学に進んだとき、僕ははじめて自分が小さな日本の小さな片田舎に住んでいたことを知った。環境の変化はほとんどなく、生活圏は自転車10分圏内。言葉に不自由することはない、多様性はなく均質。みんなだいたいサラリーマンか公務員の息子、ときたま社長や医者の息子がいる、そんな高校からの大ジャンプ。ジャンプというより、崖から思いっき...