Design for Change in Japan!


4月後半、「Design for Change」のグローバルディレクターのAnshul Aggarwal(以下、アンシル)が日本にやってきた。オープンな場でのデザインシンキングに関する講演、Design for Changeや教育に興味がある人を集めての場づくり、企業内でのワークショップ、この3つの動きにすべて帯同してまわった。飲み会も3日連続であって、そのうち2日は参加。ホテルも自宅の近所で、帰り道などでも十分過ぎるくらいに彼に話を聞かせてもらった。ここまで同じ活動家に帯同して、話を聞くことは僕にとっても珍しいことだ。

世界中で、古い教育のパラダイムを変えることの重要性とその理解が高まりつつある。社会はクリティカルで、イノベーティブかつ責任感のある市民を必要とし、ビジネスは新しくより良いソリューションを開発できる従業員を必要とし、個人は潜在能力を最大限に発揮できる21世紀の新しいスキルセットを必要としている。Design for Changeは教育のパラダイムを変える挑戦をする、と同時に一方では世界中の子供たちに地域社会でよりよい影響を与えるため、この世界の内に望む変化になるために必要な力と権限を与える活動を行っている。

“Design for Change”は子供たちに、より良い世界をつくるために自分自身のアイデアを表現し、行動する機会を与えるために設計されたグローバルなムーブメントで、おそらく教育のムーブメントとしては世界最大の広がりをみせている。2011年には33カ国と30万人以上の学校で実行され、デンマークのデザインアワードである”Index Award”を受賞した。子供と大人は “I Can!”というキーワードの重要性を”Design for Chnage”のプログラムを実行すること通して学び、子どもたちは自分たちで身の回りの世界を変えている。

toolkit_teacher

“Design for Change”のプロセスは「FEEL→Imagine→Do→Share」という4つの非常にシンプルなプロセスである。そのプロセスはダウンロード可能かつカスタマイズ可能なツールキットを教師に提供されており、現在は点字を含む15カ国語に翻訳されている。

21世紀がこれまでにないスピードで変化する時代であること、生産が基盤となった工業化時代から知識が基盤となった社会に変化したこととこの手法は切り離せない関係にある。工業化時代に必要とされていたスキルとは異なるスキルセットが21世紀現在、必要となっている。デザイン思考とこれに関連したクリエイティブな方法論は、この先何が起こるか分からない世界に直面する次世代のために、必要なスキルを提供し、必要な学習環境を確立するメソッドの一つである。デザイン思考は望まれている未来を生み出すことができる。ダイナブックを開発したアラン・ケイも「未来を予測する最善の方法はそれを発明することだ」と言っているが、この急速に変化する時代には、子どもたち自身が”変化となる”ことが重要なスキルセットで、それを手助けするのがDesign for Changeのプログラムである。

Design for Change can now truly reach its vision of being able to infect all children with the ‘I CAN’ bug.

“We basically gave children a very simple challenge. We said, take one idea, anything that bothers you, choose one week, and change a billion lives,”

子どもたちが、そして先生たちが、そして大人たちが忘れてしまった”I can!”。それを子どもたちに、そして先生たちに、そして大人たちに取り戻す。
それは子どもたちが自ら変化となることからはじまる。その変化は周りを巻きこみ、自ら創りだしたい世界をつくり、世界と共有し、世界の小さな変化の原動力となっていく。その小さな変化のネットワークと積み重ねに僕は新しい世界を創っていく原動力を見てしまった、そこに秘めたる可能性は計り知れない、子どもたちは無限の可能性を持っていると思う、僕たちよりも長く生きるという意味だけでなく、その想像力とまだバイアスのかかっていない自由な発想が源泉となった可能性を持っている。

確固たる信条を持ち、まずは広げていくこと、そしてそのために取った手法もゲリラ的である、そのやり方は日本では厳しいかも、と何度か話しているときに聞いたが、そんなに日本をスペシフィックな国に自分たち自身で決めつけないことが大切だろう。違いよりも共通点のほうが多いから、それは乗り越えられる。たった3年で35カ国2100万人に広がったDesign for Changeのユニバーサルなアクティビティは生きる能力を身につける上で、普遍的な要素を兼ね備えている。

運営資金は?どこから調達するの?という質問はこういった活動につきものだ。「必要なとき、必要なだけ、集める、お金だけでなく、共感してくれる組織にモノとして提供してもらう。絶対に子どもたちにとって大切な活動をしているからお金は後からついてくる。」創業者以外にも確実に活動の価値が伝承されており、信条の強さが際立っているように感じた。まずは自分たちが価値があると信じた活動に集中して、そこから新しい価値を生み出そうとしている。TEDのKiranの感動的なプレゼンもぜひ見てほしい。

Design for Changeが考案中のビジネスモデルは未知数だが、かなり魅力的だ。それは子どもたちのアイディアを社会起業家や中小企業に買ってもらい、スケールアウトするというものだ。アイディアの起点が、もっとも自由な発想を持つ子どもたちであれば、繰り返しにはなるが、可能性は無限だ。