『イシューから始めよ』 12のチェックリスト

ロジカルに考えることは、常日頃からやる必要がある。しかし、コンサルティング会社にでもいない限り、常日頃から考える環境づくりは難しい。思考として、定着させることは難儀だとしたときに、次にできることとしては、ロジカルに考えようとする時間をしっかりと確保することだ。脊髄反射的にできなくとも、時間を確保してじっくりやればいい。そして、そのときに、飛行機のパイロットが使うような、チェックリストがあればいい。そのチェックリストに従って、考えを進めれば、大きく外れることはないだろう。

以下は、『イシューから始めよ』を底本にしたチェックリストである。チェックリストごとに関連する引用も挿入する。

「イシューから始めよ」に学ぶ12のチェックリスト


イシュードリブン


☐「与えられた問題にどう対処するか」から「問題が本当に解くべきイシューかを見極める」にマインドセットを変える
☐答えの出ないことに悩まないこと、考えるとは答えが出るという前提のもとに建設的に考えることだ。重要であっても答えの出ない問題は多数ある

「生産性」 の定義は簡単で、「どれだけのインプット(投下した労力と時間) で、 どれだけのアウトプット(成果)を生み出せたか」 ということだ。

よいイシューの表現は、「~はなぜか?」 という、いわゆる「WHY」ではなく、「WHERE」「WHAT」「HOW」のいずれかのかたちをとることが多い。
●「WHERE」… 「どちらか?」「どこを目指すべきか?」
●「WHAT」…… 「何を行うべきか?」「何を避けるべきか?」
●「HOW」……… 「どう行うべきか?」「どう進めるべきか?」

自分が思いついた問題のなかで、本当に今答えを出す価値があるものは何か
正しい問題に集中した、正しい訓練が成長の鍵となる


仮説ドリブン


☐強引にでも前倒しで具体的な仮説を立てる
☐イシューは「ダブりもモレもなく」かつ「本質的に意味のある固まりで」分解する
☐サブイシューは「何がわかれば意思決定できるか」という視点で洗い出す
☐ストーリーラインは、Whyの並び立てと空・雨・傘のどちらかを選ぶ

答えを出そうとしているのかが明確にならず、それが明確になっていないことにすら気づかない。仮説を立てて、はじめて本当に必要な情報や必要な分析がわかる。

劇的に生産性を高めるには「このイシューとそれに対する仮説が正しいとすると、どんな論理と分析によって検証できるか」 と最終的な姿から前倒しで考える。

答えを出すべきイシューを仮説を含めて明確にすることで、ムダな作業が大きく減る。つまり生産性が上がるのだ。


アウトプットドリブン


☐分析とは比較、つまり比べること・定量分析は、比較・構成・変化。
☐原因と結果から軸を考える。
☐分析における意味合いは3つ。パターンがある、差がある、変化がある

「比較」が言葉に信頼を与え、「比較」が論理を成り立たせ、「比較」がイシューに答えを出す。優れた分析は、タテ軸、ヨコ軸の広がり、すなわち「比較」の軸が明確だ。そして、そのそれぞれの軸がイシューに答えを出すことに直結している。

分析は「原因側」と「結果側」の掛け算で表現される。比較する条件が 原因側で、それを評価する値が結果側となる。軸を考えるというのは、 原因側で何を比べるのか、結果側で何を比べるのか、ということを意味している。


メッセージドリブン


☐意味のある課題を扱っていることを理解してもらい、結論を理解してもらう。そして、行動に移してもらう

☐チャートの構成は、イシューに沿ったメッセージ、タテとヨコの広がりに意味があるサポート、メッセージを支えるサポート
☐1チャート・1メッセージ、タテとヨコの比較軸を磨く、メッセージと分析表現を揃える

ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ

「どんな説明もこれ以上できないほど簡単にしろ。それでも人はわからないと言うものだ。そして自分が理解できなければ、それをつくった人間のことをバカだと思うもの だ。人は決して自分の頭が悪いなんて思わない」


最後に、この本の一番の哲学であり、考え方のうち、心に響いたものを引用する。

すべての仕事は結果がすべてであり、この結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事はいかなる価値ももたず、多くの場合マイナスになる。

 

「限られた時間で、いかに本当にバリュー(価値)のあるアウトプットを効率的 に生み出すか」というゲームだ。

 

Naoki Yamamoto
1983年12月25日 石川県生まれ。野球漬けの高校生活を経て、北海道大学農学部に入学。「スノーボード、旅、読書」の三種の神器に明け暮れる。卒業後、システム会社に営業職で入社。 2009年株式会社グランマを立ち上げ。1年後に発展途上国の貧困層に必要なデザインやサービスを展示する「世界を変えるデザイン展」を六本木で開催、2万人を動員。2014年12月に退職し、現在無職。仕事の傍ら、ノンフィクション書評サイトHONZに参加中。